『読書のいずみ』183号(2025.秋季号)ブックフェア

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『読書のいずみ』編集部のおすすめ

『読書のいずみ』183号(2025.秋季号)で紹介された作品をピックアップしました。
『読書のいずみ』の冊子は全国の大学で配布中です!

 

八月の御所グラウンド

金子玲介

流星と吐き気

講談社 / 1,980円(本体1,800円+税)

ISBN:9784065394229

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 『死んだ山田と教室』で2025年本屋大賞にノミネートされた著者が送る“嫌愛”短編集。
 アーティスト、高校教師、人気漫画家、編集者、レンタル彼女…。登場人物は皆、身勝手でクズ。でも、そこに人間の本質があるーー。
 仄暗い気持ちが過去を呼び戻してしまう5人の物語。

鹿男あをによし

マーニー

物理学者の心

祥伝社 / 1,870円(本体1,700円+税)

ISBN:9784396636753

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 天才物理学者✕技巧派ピアニスト。読んだら推さずにいられない。愛しさ全開! 存在そのものが超危険!?人を寄せ付けない物理学者の、ただならぬ受難とは。前代未聞のタッチレス・ラブストーリー。
 

プリンセス・トヨトミ

鈴木結生

ゲーテはすべてを言った

朝日新聞出版
/ 1,760円(本体1,600円+税)

ISBN:9784022520395

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 ゲーテ研究の第一人者である博把統一は、ゲーテの名言として「愛はすべてを混済せず、渾然となす」と書かれたティーバッグを見つける。しかし、調べても出典がわからない。言葉の大海に惑える統一だが、親友の論文捏造疑惑や娘の恋愛など、悩ましい日々の羅針盤となるのもまた言葉だった。さわやかな希望に彩られた物語。
■コメント:齊藤ゆずか(京都大学大学院)

かのこちゃんとマドレーヌ夫人

鈴木結生

携帯遺産

朝日新聞出版
/1,870円(本体1,700円+税)

ISBN:9784022520609

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 小説家・舟暮接は、編集者の有奈に「自」を書くことを提案される。心の内側をたどるようにして書き上げた物語を有奈に読ませたが....。
 書く人と読む人、つくる人と受け取る人の、決して一方向ではない関係性。そこにこそloue(三菱)があると思わせてくれた、文学を愛するすべての人におすすめしたい一冊。
■コメント:齊藤ゆずか(京都大学大学院)

八秒で跳べ

ホイジンガ<高橋英夫=訳>

ホモ・ルーデンス

中公文庫 / 1,320円(本体1,200円+税)

ISBN:9784122066854

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 人間は遊ぶ存在である一人間のもろもろのはたらき、生活行為の本質は、人間存在の根源的な様態は何か、との問いに対するホイジンガの結論が本書にある。
 作家・鈴木結生さんが「大学入学前に読んでおいてよかった本」としてインタビューの中でおすすめしてくださった一冊です。

ハイファに戻って/太陽の男たち

黄昭堂

台湾総督府

ちくま学芸文庫
/ 1,320円(本体1,200円+税)

ISBN:9784480099327

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 台湾史研究の開拓者による概説書の復刊。大陸では中華民国が成立したのちに「中国人」意識が形成されたのに対して、それより早く日本に植民地化された台湾では「台湾人」意識が形成されたとする歴史像は今なお新鮮。
 ■コメント:京都大学・駒込武先生

パレスチナに生まれて

遠野遥

破局

河出文庫 / 693円(本体630円+税)

ISBN:9784309419343

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 後輩のラグビー指導に熱を入れ、就職活動を間近に控えた大学 4年生の私は、友人のお笑いライブで、新入生の灯(あかり)と出会う。やがて私は、幼馴染で成績優秀な恋人の麻衣子(まいこ)よりも、無邪気な新入生の灯に惹かれてゆくのだが……。社会への最適化を求める現代で、肉体も人生も鍛え上げた男の「破局」を冷徹な文体で描いた、第163回芥川賞受賞作。

図書室の海

深緑野分

戦場のコックたち

創元推理文庫
/ 1,078円(本体980円+税)

ISBN:9784488453121

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 合衆国陸軍の特技兵(コック)、19歳のティムは/ルマンディー降下作戦で初陣を果たす。軍隊では軽んじられがちなコックの仕事は、戦闘に参加しながら炊事をこなすというハードなものだった。個性豊かな仲間たちと支え合いながら、ティムは戦地で見つけたささやかな謎を解き明かすことを心の慰めとするが。戦場という非日常における「日常の謎」を描き読書人の絶賛を浴びた著者の初長編。

夜明けのすべて

奈倉有里

ことばの白地図を歩く

創元社 / 1,540円(本体1,400円+税)

ISBN:9784422930992

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 ロシア文学の研究者であり翻訳者である著者が、自身の留学体験や文芸翻訳の実例をふまえながら、他言語に身をゆだねる魅力や迷いや醍味について語り届ける。「異文化」の概念を解きほぐしながら、読書体験という魔法を翻訳することの奥深さを、読者と一緒に“クエスト方式”で考える。読書の溢れんばかりの喜びに満ちた一冊。

たゆたえども沈まず

大石 大

死神を祀る

双葉文庫 / 880円(本体800円+税)

ISBN:9784575528657

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 東北の寂れた街に、一ヶ月、欠かさずお参りすると、30日目の夜、この世のものとは思えない快楽のなかで死を迎えることができる神社があるという。それを体験した男の日記がネットで拡散し、その神社は話題に。死にたい人たちが、その街に集まり、街は活気を取り戻すが……。新鋭による連作短編集。

  
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 『読書のいずみ』183号 (2025.秋季号)

冊子『読書のいずみ』は、全国の大学生協で配布中!
「座・対談」「あの頃の本たち」をはじめ、読書にまつわる楽しい記事がいっぱいです。

秋季号は、表紙も誌面も大リニューアルしました!
「座・対談」には、今年の芥川賞を受賞した 鈴木結生さん が登場します。

さらに――
    •    金子玲介さん、アメリカ・ミネソタ州出身の作家マーニーさんによる巻頭エッセイ「あの頃の本たち」
    •    NHK大河ドラマ『べらぼう』制作統括 藤並英樹さん の特別インタビュー
    •    大学生が書いたエッセイやおすすめコメント

など、読みごたえたっぷりの内容です。
ぜひ手に取ってみてください!



 
 

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