パリとマティス、ローマとキリコ、マドリードとスロアーガ、ロンドンとシッカート、ベルリンとディクス、そしてウィーンとギュータースローという、ヨーロッパの芸術的伝統を内に秘めた戦間期ヨーロッパの中心的な六つの都市と、かつての人間存在の規範を内から穿ち内在する衝動を解き放つ新たな〈生〉の表象を探求した、六人の画家たちについての六本の優れた論攷からなる。そこから見えてくるのは、戦間期ヨーロッパの躍動し爛熟した文化が切り拓いた世界の創造のめくるめく映像/ダイナミズムである。そして、第一次世界大戦を経験した各国の芸術家がどのような創造行為に向かったのか、同じ時代を生き抜いた彼らがどのように死の記憶と向きあい、生の痛みと歓びを表現したのかについて考え、そして、今日が直面する悲劇に心を寄せるひとつの芸術的契機を視覚化するものである。
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