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診断を下す際にも経過をたどった後でも、悩み、焦り、混乱の元となるのが精神科診断。その困難に対応すべく、精神科では珍しい「鑑別診断のための症例集」が登場!
「精神科を専攻して2、3年経てば、そろそろ1人で外来を担当させられることになるであろう。
これから野戦病院でどんどん経験を積んでいこうという段階である。
さすがにそのころには、典型的であれば統合失調症やうつ病、あるいはパニック症などの
診断に困ることはないかもしれない。しかし、外来やリエゾンで往診した患者を前にして、
症状が複雑で定型的でない、診断を下すには情報が足りないなど、困惑することも少なくない。」
本書の「はじめに」で著者が記したこの言葉に、
若い精神科医だけでなく多くの医師がうなずき、同意するのではないだろうか。
そして、一度下した診断が経過をたどっていくうちに「違っていたか」と思い始めたり、
紹介されてきた患者の診断名に疑問を抱くといったことも、よく経験するだろう。
そんな “一見すると○○症と診断してしまうかもしれないが、
よく症状を見たり観察していくと△△症の診断になる” という51の症例を紹介した書籍である。
「少し臨床経験も積んできて、診断にも慣れが生じてしまっている…」
「時々やってくる複雑な症状を抱えた患者さんに対応できる自信を持ちたい!」
「めったに遭遇しない珍しい症例のことをよく知っておきたい!」
こんな思いをお持ちの方であれば、必ず役立つと1冊になっているはず。
ぜひご一読をお薦めしたい。
※既刊『ガイドラインになりリアル精神科薬物療法をガイドする』と併せて読めば
精神科臨床のさらなる理解につながります。
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