キリスト教文化のかたち

キリスト教文化のかたち

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出版社
知泉書館
著者名
金子晴勇
価格
2,530円(本体2,300円+税)
発行年月
2024年12月
判型
四六判
ISBN
9784862854230

本書は人間学的な行動様式の視点からキリスト教文化を明らかにする。文化とは人格と教養,さらに趣味の育成と精錬,生活の改善を意味し,調和のとれた円満な人格性や高い教養を目指す。また個別な社会の生活様式全体とその伝統を意味する。技術によって自然を人間生活の理想にまで高める精神的行為が文化であり,その特色は専門分化している知識を一つに統合する核心,「教養」の実現にある。
第Ⅰ部「キリスト教文化とは何か」では,民族や社会,個人においてヨーロッパ文化の実体を形成し支えてきたキリスト教のあり方を解明する。キリスト教の歴史的展開と異文化との接触を通して多くの類型化がなされ,個人と社会がさまざまな表現形式を獲得した。さらに教会が生活と社会に果たした役割から聖と俗の観念が形成され礎となった。
第Ⅱ部「キリスト教とは何か」では,キリスト教信仰の内実に光を当て,創造思想からイエス理解,さらに契約思想,倫理思想,社会倫理,宗教的霊性など,人々にとっての信仰,社会にとっての機能を明らかにする。
第Ⅲ部「キリスト教と日本文化」では,ヨーロッパ的霊性の源流と鎌倉仏教の霊性を比較し,正義と恥の観念などの特性を抽出,また自殺に関する東西の対応の違いなど,わが国とヨーロッパ文化との異質性に注目する。なかでもキリスト教との出合いは,想定外の多様な要素に満ちていた。
近代日本はヨーロッパのモデル化という課題のなかで,市民生活から生産技術,学問と教育など多岐に渡り展開した。欧米人が基礎教養として身に付けてきた行動様式の由来を深く知るためにも,本書は必見の書である。

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