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本書は理工系基礎として必要な線形代数の内容を親しみやすくまとめたテキストである。記述は,”具体例を通して一般論を理解できる’’という方針でなされている。すなわち,行列やベクトルの正しい取り扱いと応用法の習熟に重点をおく一方,その背後にある線形性に対する感覚も自ずと培われるよう,式操作のステップごとに解説をつけるほか,例や題材の配列にも十分な工夫がなされている。構成は全20章からなり,1つの章に1つのテーマをあてて計画的な学習ができるよう配慮されている。また各章末には理解の確認ができるよう練習問題を設け,巻末略解を付している。
改訂にあたっては,行列を初めて学ぶ学生にも対応できるよう第1章に導入部分を新たに設け,さらに,線形代数がどのように実社会で応用されているかについても適宜言及し,興味をもって読み進められるよう配慮した。
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