苦情はいつも聴かれない

苦情はいつも聴かれない

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出版社
筑摩書房
著者名
サラ・アーメッド , 竹内要江 , 飯田麻結
価格
3,190円(本体2,900円+税)
発行年月
2024年11月
判型
四六判
ISBN
9784480837271

原著への賛辞多数!

「美しく書かれ、すっかり惹きこまれた。まさに今、私たちに必要なテキスト。」――アンジェラ・Y・デイヴィス

「感動的であり、連帯の源でもある。抗議し、変化のために闘う勇気を与えてくれる。」- ジル・クロージャー、教育社会学

「強くお薦めする。上級学部生から教員、専門家まで。」――『チョイス』誌

「大学における権力とその濫用についての、慎重かつ洗練された分析。」- バハラク・ユセフィ、カレッジ&リサーチ・ライブラリー



***

組織内のハラスメント、性差別、人種差別に対して声を上げた人々は何を経験するか。本書では大学に苦情を訴えた学生や教授陣など60名以上への調査をもとに、組織・制度・権力が苦情を阻止し無力化するメカニズムを解き明かす。進まない手続き、見かけだおしのポリシー、同僚からの警告、孤立、加害者とのお茶会、暴力のエスカレーション、「あなたの空想でしょう」、罪悪感、自分を信じられなくなること、そして連帯。膨大で痛みをともなう苦情の物語が伝えるのは、繰り返される歴史であり、組織や権力のはたらきについての学びであり、変革に向けての「すりきれた希望」だ。つぶさに耳を傾けることで生まれた貴重な記録。



***

本書の狙いは、苦情を聴き取り、苦情に場所を与え、その訴えに耳を貸してこの歴史に対抗することだ。ひとつの歴史は日常(ルーティン)になりうる。歴史とは、苦情を訴える者がいかに退けられ、胡散臭く思われるようになるかということ。

(・・・)

証言が私に託されたのは、私がそれをあなたに、読者に、聴衆に、苦情を訴える人たちに伝えるため。(…)本書が伝えるのは、数多くの証言から集めた断片だ。断片とは鋭利な破片。(…)それらがぴったり合わさる様子から学べるようにして、それらの破片を拾い集めている。(本文より)

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