本書で対象とした粉体は、専ら工学、農学、薬学の対象であり、理学の中でも地学の対象と思われてきた。しかし1990年頃から、内外で粉体を物理学の対象とし、その統計力学や連続体力学を構築しようという機運が盛り上がってきた。本書はその成果を、専ら動きの学問であるレオロジーという観点からまとめて紹介したものである。
本書の前半では、連続体力学の基礎、レオロジーの一般論、液体論の基礎を手短に紹介する。この前半部分の予備知識は教養レベルの連続体力学と初等統計力学である。
後半で、粉体が固体的状態にあるときのレオロジー、粒子がばらばらに気体のように動く際の運動論、一種の固液相転移であるジャミング転移について、最近の研究成果に基づき、粉体の非線形レオロジーの最前線を紹介する。
これらの内容を1冊の本で一貫したストーリーで語った本書には、洋書も含めて類書は見当たらない。
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