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新しい機能をもった材料や工業製品が続々と開発される一方で,地球規模で深刻な環境問題を抱えている現代社会においては,教養としての化学の知識が欠かすことができない.とりわけ理工系大学の学生には,物質・材料科学の基盤である化学の知識を要求される機会は多い.化学が産業,生活,社会のなかでいかに重要であるかを再認識する必要がある.
本書は,現代人の常識として必要な化学の素養,並びに物質・材料科学の基礎である化学の基礎知識を習得することを目的としており,大学学士課程の初年次学生向けの教養科目,専門基礎科目の教科書,参考書として,次のような方針で編纂されている.
(1) わかりやすい
(2) 化学のおもしろさを堪能できる
(3) 化学に興味がもてる
(4) 化学の基礎学力が確実に身につく
(5) 専門科目への橋渡しになる
(6) それぞれの専門分野で役立つ
(7) 現代化学の自然観・物質観が理解できる
化学は,物質の成り立ちとその構造,性質および変化について,原子や分子に着目して考える学問である.本書の学習内容には物質の基本構造,化学量論の基礎,基本的な化学変化や物性が含まれており,化学の基礎知識として必要十分な内容になっている.また,これまで化学に触れる機会がほとんどなかった学生であっても,理解できるように配慮されている.
本書を活用して,さまざまな化学の世界を楽しんでもらえれば望外の喜びでである.この学習を通して,化学の基礎知識,基礎学力が確実に身につくとともに,将来,必ず役立つものと確信する.
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