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タイのチェンマイに生まれ、現在は福岡とチェンマイを拠点に活動を続けるアーティスト、ナウィン・ラワンチャイクンは、1994年に福岡アジア美術館で開催された「第4回アジア美術展」にタイ代表として参加して以来、日本国内のプロジェクトにも多数出展してきた。2015年、新潟県十日町市・津南町で開催された「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」に参加し、山奥にある赤倉という集落で作品を制作。集落の人々と交流を深めた作家は、現在集落に暮らす人たちだけでなく、かつてこの地に生きていた人々も一堂に会した集合写真のような絵を描いた。
本書は、ナウィンが2015年から2022年にかけて、集落の人々に書いた手紙の全文(和訳)を収録している。手紙の中でナウィンは、これまで旅した数多くのコミュニティの物語や父を看取る際の想い、師であるアーティストから学んだことなど、アーティストとしての彼の人生について率直に語っている。
このうち2015年に送られた手紙は、集落の人々が代わる代わる朗読するかたちで短い映像作品にまとめられ、絵画作品《赤倉の学堂》が展示されている、旧赤倉小学校の体育館で上映されている。
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