国に自治体への「指示権」を与えた改正地方自治法(2024年)に潜む危うさ、すべての問題点を深く、わかりやすく解説し、警鐘を打ち鳴らす。分権改革で確立した国と自治体の「対等・協力」な関係を、「さながら戦前回帰」と言われるほどに「上下・主従」に逆戻りさせる改正法の内実を、研究者や政治家らへのインタビューを中心にまとめている。
聞き手は元朝日新聞論説委員。第2次安倍政権以降に目立つ、説明責任を果たさない政治のもとでの「国の指示権」の創設が、国から自治体への「上意下達」にさらに拍車をかけることを危ぶむ視点で質問を重ねている。
何が起きるかわからない、という危機への対応を地方自治法ですることへの疑問や、国は指示するだけで、うまくいかなかった時には責任を自治体に転嫁できる構図であるとの指摘、地方議会が蚊帳の外に置かれたことへの異議などが語られている。国会審議で最後まで示されなかった立法事実について、全国知事会副会長が「実は多くの知事はわかっていた」と証言していることも注目される。
改正法の内容解説と、それに伴う条例制定への指針を示した「上巻・解題編」とともに、自治に携わる方々に、ぜひ読んでほしい。
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