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高校生の坂木夜花(よはな)の住む町は、魔を退治する神祇官(かむつかさ)の一族である社城(やしろ)家が絶大な権力を持つ。
両親を亡くし祖母と住む夜花は、夏のある日に遠縁だからと社城家の宴会にかり出される。けれど手伝いの最中、事故で池に落ちてしまう。
騒ぎを聞きつけ現れたのは美貌の社城家の当主候補。彼は「僕の、つがい」と夜花に歩み寄り――後ろにいた同級生の少女を抱き上げた。
夜花は誰にも顧みられず、濡れ鼠の惨めな姿のまま池の中で呆然とする。
けれど不思議な美しさの少年・千歳が夜花を助け、社城家にある自分の家に匿ってくれた。さらに千歳は夜花が神がかりの力を持つ《まれびと》であると見抜く。
夜花は社城家に保護され千歳を護り手に、術師の仕事の手伝いをすることに……?
「わたしの幸せな結婚」の顎木あくみが贈る、神と人と運命の恋物語。
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