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河童や天狗、鬼、あるいは不思議な能力をもった狐や狸、蛇、猫といった動物たちは、高度成長期を境に私たちの周囲から急速に消え去りました。かつての日本人が「もののけ」とか「化け物」などと呼んで恐れた、これらの伝承世界は、日本人の心の「ふるさと」の一翼を担ってきたと言っても過言ではないでしょう。本書は、そうした「もののけ」「化け物」等について、はじめて学術的に切り込んだ待望の成果です。
国際日本文化研究センターが研究公開している「怪異・妖怪伝承データベース」は、特に民俗学関係雑誌や江戸時代の随筆類・各県史類に採録されている、「怪異・妖怪」現象に関する書誌情報35000件余を集めた比類のない学的集積ですが、本書はこのデータに準拠し、100人の気鋭の研究者が総力を結集して編纂した、決定版的な一冊です。※口絵8頁
【本書の特徴】
?国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」に収録された怪異現象・妖怪名35000余件に準拠して立項し五十音 順に配列。
?名称が異なるが同じ現象を指す事例などは大きな概念で一つの項目にまとめ、項目中に「別称」を併せ示した。
?項目は主として大中小項目で構成。
?各項目には、その異名も併記、まず解説を掲げ、各地の事例を掲げた。
?巻末に「異名索引」「地域別事例索引」等を付し、全国各地の怪異・妖怪伝承を地域ごとに把握できる。
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