出版社よりお取り寄せ(通常3日~20日で出荷)
※20日以内での商品確保が難しい場合、キャンセルさせて頂きます
それぞれの地域の学校には何か特有の行動や決まりのようなものがあり、それが「学校文化」です。黒板消しを「ラーフル」、騎馬戦を「川中島」、穴開き靴下を「おはよう靴下」「じゃがいも」と言う地域があります。出欠に「はい、元気です」「風邪気味です」と答え、人形浄瑠璃の会館や水族館がある学校もあり、運動会や遠足も様々です。
文部省に入省した著者は鹿児島県教育委員会に出向した際に生まれ育った徳島県との違いに気づいた。教育行政にたずさわる中で全国の「学校文化」の多様性と豊かさに驚き、その起源を歴史を縦糸に地域性を横糸に解明しようとしたのが本書です。
歴史ではまず、「大学」「学生」という言葉が生まれた奈良・平安時代から、「騎馬戦」「赤組・白組」などが今も生きる武士の時代、そして庶民が寺小屋で広く学んだ江戸時代までを考察します。明治に入ると近代的な学校制度が整備され、全校朝会、通信簿、部活動、校歌、ランドセルなどが生み出されます。さらに大正デモクラシー(大正~昭和初期)とともに自由教育と女子教育の拡充が進められ、早慶戦、応援団、ストームなど学生文化が花開きます。しかし、戦火が次第に暗い影を落とし学徒動員・疎開など多くの犠牲が強いられました。戦後は教育の民主化、男女共学などが行われましたが、占領軍の対応の違いによって“バラつき”が残っている地域もあります。
少子化とIT化が急速に進む今、子どもの人権の尊重と教師の働き方改革、そして健康に影響する地球温暖化に対する対応が求められています。こうした問題への対応を含め、地域や教育機関が自律的な方法を自信を持って進めていくことが教育の成果を上げる道であり、その基盤となるのがそれぞれの地域や学校が持つ多様な文化なのです。
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。