一生の間に雄と雌の両方の性で繁殖できる個体が存在するのは、脊椎動物の中では魚類だけである。雌雄同体の4タイプ(同時的雌雄同体、雄性先熟、雌性先熟、双方向性転換)をテーマに据え、魚類の系統樹における各タイプの出現状況、雌雄同体の進化に関する基本的仮説(低密度説と体長有利性説)、さらには行動生態学の手法を踏まえて配偶システムとの関係について具体例をもとに考察していく。『魚類の性転換』『性転換する魚たち』に続く、魚類の性転換・雌雄同体に関する研究を包括的にまとめている。
目次:1章 魚類の雌雄同体の系統発生、進化理論と配偶システム(桑村哲生)/2章 同時的雌雄同体魚類の配偶システム(澤田紘太)/コラム1 魚類の性決定・性転換の分子機構(村田良介)/3章 雄性先熟魚類の配偶システム(須之部友基)/コラム2 昆虫の性と共生微生物(陰山大樹)/4章 雌性先熟魚類の配偶システム(坂井陽一)/コラム3 海産無脊椎動物の雌雄同体(澤田紘太・山口 幸)/5章 双方向性転換魚類の配偶システム(門田 立)/コラム4 植物の性転換(西沢 徹)/6章 雌雄同体魚類の潜水調査:フィールドと研究方法(桑村哲生・門田 立・坂井陽一・小出佑紀・須之部友基・出羽慎一・大西信弘・奥田 昇)
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。