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「私は酒がやめられないのである」
「だらしない話である。恥かしい話である」
しかし不思議と憎めず愛しい、戦後・昭和の人間模様――。
「小生、この度感ずるところあって、酒を止めることにしました。断然止めたいと思います。」「酒を飲むから、仕事が出来ぬ。仕事が出来ぬから、金があんまり入らない。」(「禁酒宣言」)止せばいいのに今日も今日とてふつか酔い、後悔してももう遅い。確かな筆致で人間の生活を描き続けた私小説作家・上林暁の世界から坪内祐三が選りすぐる、ユニークな酒場小説集。
解説 青柳いづみこ
カバー画・題字 風間勇人
カバーデザイン 小川恵子(瀬戸内デザイン)
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