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2024年元日に発生した能登半島地震は、人口減少と高齢化が進む農山漁村の課題を改めて浮き彫りにした。住民避難の長期化に加え、農地や漁港など生産設備の被害も大きく、農林水産業や伝統産業の再開は厳しい状況だ。「地域消滅」を危ぶむ声も出るなか、被災者の暮らしと生業をどう取り戻していくのか、復興のあり方が問われている。次の4氏から報告をいただき、復興の道筋と能登の未来を考えた。
第1回の講師は株式会社雨風太陽代表の高橋博之氏。高橋氏は東日本大震災後の経験から、消費者と生産者の関係性を紡ぎ直すことで「疲弊する都市」と「衰退する地方」の課題を同時に解決できると確信し、「都市と地方をかきまぜる」事業を展開してきた。能登半島地震では発災直後から現地入りし、3カ月近くにわたって地域の人々と対話を重ねている。石川県の復旧・復興会議の委員も務める高橋氏に、復興の道筋をどう考えるべきか、東北の経験も踏まえて語る。
第2回の講師は認定NPO法人ふるさと回帰支援センター副事務局長の稲垣文彦氏。稲垣氏は新潟県中越地震でボランティア活動のまとめ役として活躍。住民と行政、支援者らをつなぐ中間支援組織の創設などに携わった。人口減少時代の日本を浮き彫りにした最初の災害といえる中越地震の体験を踏まえ、住民を主体とした「新潟モデル」の復興について語る。
第3回の講師は珠洲市特定地域づくり事業協同組合の事務局を担う馬場千遥氏。馬場氏は大学時代から地域づくり活動に携わり、地域おこし協力隊員を経て同事務局に勤務。地震後も能登半島先端部の狼煙(のろし)地区に残り、被災住民を支えながら復興の道を模索している。「限界集落」切り捨て論が一部に浮上するなか、移住者の目に映る能登の未来を語る。
第4回の講師は能登農業協同組合(JAのと)代表理事組合長、藤田繁信氏。奥能登の農業と地域社会の再生に向け、相互扶助のつながりを生かして全力で取り組みを進めている。被災から半年を経た現状や農業復興への課題に加え、住民の生活インフラとしての農協の役割や将来への展望についても幅広く語る。
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