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ユーゴスラヴィア紛争からウクライナ戦争まで
政治によるプロパガンダ、性暴力、難民、戦争犯罪法廷…
普通の人びとの日常はどのように侵食され、隣人を憎むにいたるのか。
ユーゴ紛争をみつめてきたジャーナリストによる、
誰もが無傷ではすまない戦争についての深い問い。
ウクライナの戦争を見守り続けてからというもの、我々は、より良い生活を求め重いリュックを背負う人々の悲痛な姿、砲撃、避難所、泣き叫ぶ声、重火器、荒廃した高層ビル群といった光景を、一九九〇年代のユーゴスラヴィア紛争と比較せざるを得ない。すべてが似ている。
実際に「同じ」なのだと考えている――政治的レトリックから恐ろしい赤裸々な日常生活に至るまで。数々の戦争シーンは再び我々に衝撃を与え、しばらく後に悲嘆をもたらすのみで、やがてその光景を日常の一部として物憂げに受け入れるようになる。
(…)
スラヴェンカ・ドラクリッチのエッセイは、深刻なテーマを直接的かつシンプルに執筆可能だと示すだけにとどまらず、反戦のあらゆる取り組みが重要であると気づかせてくれる――語り、記録し、記憶し、犠牲者の声に耳を傾け、彼らの運命を伝え、理性を育み、特に若い世代を、「我々」と「彼ら」という危険な二項対立から逃れられない民族主義から解放するために全力を尽くす必要がある。それを待つには及ばない。今すぐに行動すべきだ。この危険な分裂が解消されない限り、戦争は、目を覚ますことのできない悪夢のように永久に続きかねないのだから。
解説 マリヤ・オット・フラノリッチ
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