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第46回野間文芸新人賞候補作
安堂ホセは、物語の磁石を持っている。現実世界で排除された不都合で不穏でヤバい砂つぶてのような言葉を、暴力と倫理の磁石で吸い寄せ、反発させ、交渉させ、渦巻かせる。あらゆる倫理が覆され、暴力が吹き荒れている今、「暴力から暴を取りはずす旅」の物語が出現したことは、一つの事件だ。
読もう! 旅立とう! 旅によって運ばれるのは、あなた自身だ。
──柳美里
強烈な皮肉とクールな文体。
私たちの眼差しを切り開く手術(オペ)のような小説。
どこへ連れていかれるのかわからず、ひと晩で読み終えた。
──佐藤究
語りと構造、ストーリーの面白さの中に、資本主義や植民地主義、ウクライナ戦争やガザでの虐殺についての鋭い批判が、当然のように滑り込む。
極めて刺激的かつ、開放的。国境を越えて、世界にリコメンドしたい。
──須藤輝彦
この小説を読むことは自らの感性を問い直すことである。
異性愛主義や人種という不適切なカテゴライズにあらがうための、必読の一作。
──渡邉英理
典型的な物語に閉じ込められないための強烈な意志、ねじ伏せられない悪意と復讐がこれほどまでに徹底された作品はなかなかない
──水上文
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