「中途半端」で読み捨てられた媒体としての週刊誌。
その特質を明らかにしていくことで何がわかるのか。
1922年創刊の週刊誌『サンデー毎日』の、創刊から被占領期までの誌面における表現戦略に、様々な角度から考察を加え、戦前期週刊誌の「文学」の発信/受容の実態を明らかにする。
「文学」や「作家」のあり方のみならず、その誌面に展開された視覚表象とレイアウトを考察し、雑多な表象と言説の場としてのメディア空間の様相を捉える。『サンデー毎日』だけではなく、同時期の『週刊朝日』への考察も加え、歴史的意義とメディア史的特質をも明らかにする。
『サンデー毎日』を中心にした膨大な量の戦前期週刊誌の調査と、そこで作成した様々なデータベースという量的な研究成果を基盤とし、戦前期週刊誌メディアの多角的な解明を目指す書。
全体を、第1部「週刊誌メディアの誕生とその展開」、第2部「週刊誌における「文学」の生成/消費と作家たち」、第3部の「「見ること」の場としての『サンデー毎日』」、第4部「戦後週刊誌の展開とその表象」、データベース、で構成。
交錯する言説とイメージから、戦前期週刊誌は何をどう表現してきたのかを、明らかにできるのか。今後の文学・メディア研究必携書!
編著者、荒井真理亜/副田賢二/富永真樹/中村 健。執筆者、青木康晋/天野 知幸/尹 ?汐/小澤 純/五島慶一/西山 康一/原 卓史/松村 良/三浦 卓/渡邊 英理。
【文化構造とその消費が世界的に多様化し、分散しつつある現代の社会のなかで、今後の文学・メディア研究は、研究対象を区画化/特権化し、その内部に閉じこもるような姿勢のままでは、もはや有効な視座を提示することはできないだろう。貪欲な大衆の大量消費メディアとして、同時代の言説空間の内部で浮遊していた戦前期週刊誌への研究史的欠落を意識した上で、本書では、創刊一〇〇周年を超えて、その歴史的意義と評価を問われている一九二二年創刊の週刊誌『サンデー毎日』の、創刊から被占領期までの誌面における表現戦略に、様々な角度から考察を加えた。そこでの「文学」や「作家」のあり方のみならず、その誌面に展開された視覚表象とレイアウトの考察を中心に、雑多な表象と言説の場としての『サンデー毎日』のメディア空間の様相を、同時期の『週刊朝日』への考察も加えつつ、様々な角度から検証し、その同時代的意義とメディア史的特質を明らかにする】……「はじめに」より
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