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愛のままには生きられない。
私はただの政略結婚の道具だから。
許婚が事故死し、ランツァは心から嘆くも、親の決めた政略結婚から
解放されたことにほっとしている自分に後ろめたさを感じていた。
そんなある日、今度は亡き許婚の兄ステファノとの結婚を命じられる。
彼とは、大人になってからまともに会ったこともないのに。
病を患う父を安心させるためにも、ランツァは従うほかなかった。
1年後の結婚式の日、祭壇でようやく顔を合わせたステファノは、
驚くほど端整な顔だちで、大人の魅力をまとい、きらきら輝いて見えた。
そう、ランツァは幼き日から、本当はステファノが好きだったのだ。
だが、人知れず頬を染めるランツァに、彼は事務的に告げた。
これはあくまでも形だけの結婚で、寝室は別だ、と。
大スター作家レベッカ・ウインターズが描いた、愛なきロイヤル・ウエディングと切ない片恋の物語。もどかしい二人のロマンスに加えて、ヒーローの亡き弟との兄弟愛が優しい筆致で綴られた本作は涙なくして読めない名作です。
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