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■白石正明さん(「ケアをひらく」編集者)推薦■
「ない」と「ある」の間には、いまだ名付けられぬ荒野が広がっている。
“幻”と“現”が交錯するそんな幽冥の地を、彼は嬉々として探検する。
その足跡を辿っていくと、私たちもすでに「ない」と「ある」のグラデーションの上にいることに気づいてしまう。
それは端的に気持ちいい。
【内容】
12歳から骨肉腫により人工関節だった著者は30歳の時、感染症の罹患を機に太腿から下を切断することを決めます。前向きな判断でしたが、やがて噂に聞いた〈幻肢痛〉を体験することになりました。
切断した後の足を火葬して骨壷に入れてもらい、骨壷を眺めながら考えます。
「無いものの存在」に耳を傾けること。
それは、社会の中で抑圧されるマイノリティや、不安に苛まれる人の声と重なるのではないか…。
少しユニークな障害受容の話として、はたまた人が持つ創造力を考える本として。読み手の感覚や価値観もあやしく揺れ動きはじめる、不思議な読後感をよぶ一冊です。
【目次】
第1章 幻肢痛の当事者研究
・右足を切断しました
・無いもののあり方
・幻肢痛の当事者研究 一
・リアルとファントム
・幻肢痛の当事者研究 二
第2章 幻肢という「不確かさ」
・幻肢は宇宙でも足のイメージを保つのか?
・幻肢という「不確かさ」
・「痛み」の決め方
・切断は欠損ではなかった
・目の前の人に幻肢がぶつかる
・あの本の中の幻影肢
第3章 踊り出す義足
・義足は乗り物
・義足が知りたい
・踊り出すような義足を
・存在の背景
・幻肢 on 義足
・存在の空白
・パンツとダンタンブクロ
・幻肢はわからないからいい
・感染症のこと
・仮義足の完成と幻肢の常態化
第4章 身体が無くなる可能性
・新しい移動と”できなさ”について
・戦略的なあいまいさ
・静かな山は聞こえない音に溢れていた
・義足の相棒感
・普通、足は持たない
・「セルフ」を取り巻く技術
・身体が無くなる可能性
・アートとか医療とかっていうか、美味しい鍋作りみたいな価値
第5章 わからないものをわからないまま
・キカイダーありがとう
・幻肢性と飛躍
・義足の価値はどこにあるのか?
・わからないことをわからないまま
・それはそれ、これはこれ。
・語ることにつまずきながら
・土から生まれて、身体を通って生えてくる義足
・「無いものの
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