宮沢賢治

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出版社
清水書院
著者名
藤村安芸子
価格
1,320円(本体1,200円+税)
発行年月
2024年10月
判型
四六判
ISBN
9784389422004

詩人・童話作家として知られる宮沢賢治(1896~1933)の一生は、仏教とともにあったと言ってよいだろう。賢治は、浄土真宗の信仰のあつい家に生まれながらも、自らの信仰として法華経を選び取った。仏教が語る光あふれる世界に心ひかれた賢治は、やがて自身が、妹トシの死という悲しくつらい経験と向き合う中で、仏教が他ならぬ自分が抱える苦しみをすくい取ってくれる力をもつことを見いだしていく。本書は、このような賢治の思想の変遷を、賢治が父や友にあてて書いた手紙や、賢治の作品を手がかりとして、たどっていこうとするものである。
仏教は、教説だけではなく物語の形でも、自らが見いだした真理を語り伝えてきた。賢治がつくりだした「イーハトヴ」という世界の背景には、そうした物語がひそんでいる。賢治の作品は、私たちに何を伝えようとしているのか。「ほんとう」や「さいわい」ということばに注目しながら、丁寧に考えていきたい。

◇著者について
藤村 安芸子(ふじむら あきこ)
1971年、神奈川県に生まれる。
1994年、東京大学文学部(倫理学専修課程)卒業。
現在、駿河台大学教授。専攻は倫理学・日本倫理思想史。
著書=『石原莞爾―愛と最終戦争』(講談社)、『仏法僧とは何か 『三宝絵』の思想世界』(講談社)、「古代日本における愛と結婚―異類婚姻譚を手がかりとして―」『愛―結婚は愛のあかし?―』(共著,ナカニシヤ出版)、「和辻「風土」論再考―大正時代の問いのゆくえ―」『和辻哲郎の人文学』(共著,ナカニシヤ出版)。
論文=「日本仏教思想史上の『源氏物語』」(『比較日本学教育研究部門研究年報』第14号)ほか。

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