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最近の防衛論議は、戦争の放棄を謳った憲法第九条がまるでないかのように行われている。しかし、防衛力の増強や戦争体制の強化が本当に日本を守ることになるのであろうか。国土狭小、人口稠密で、ガソリン・核燃料で充満している日本が、戦争に耐えられるとは到底思えないからである。この点を踏まえ、本書では戦争放棄条項の制定過程(特にその発案者)を明らかにするとともに、自衛隊を違憲と判定した唯一の裁判例である札幌地裁判決(1973[昭和48]年9月)の再評価をとおして、第九条の現代的意義と今後の日本の平和主義のあり方を考察する。
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