「金利のある世界」の歩き方

「金利のある世界」の歩き方

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出版社
日経BP
著者名
石川智久(経済学)
価格
1,980円(本体1,800円+税)
発行年月
2024年10月
判型
四六判
ISBN
9784296120963

●17年ぶりの利上げ。企業、家計、政府はどうする?

 24年3月、日銀がマイナス金利の解除に動いた。高い賃上げと物価上昇が実現していることを受けての決定だが、我々は長い間「価格が一定(または下がる)」世界に生きてきた。実質金利の復活が近いと予想される中、我々は何を念頭に入れて動くべきなのか? 予想される状況をいち早く頭に入れ、この先の一歩を考えるヒントにするための1冊。

 企業の設備投資は、一昔に比べると、金利の影響は軽微となる。大企業は、現金をため込んでいる企業が増えており、借り入れに迫られる企業は少ない。また無形資産の保有が増えていることも影響が少ない一因。一方で、大企業は堅調なのに比べると、中小企業は人件費の割合が多く、賃上げが続くと負担が増えることから、大企業と中小企業の差は大きくなることが予想される。

 家計でも、年齢と保有資産の差で2極化が予想される。特に、ローンの額が多い若年層にそのしわ寄せが来る。住宅費、教育費などの負担増は、少子化のさらなる加速を招きかねない。金利のある世界では、金融の知識の有無でも差がつく可能性があり、金融教育の議論も活発になるだろう。

 財政(政府)面では、金利上昇は間違いなく財政悪化要因となり、財政再建の取り組みをさらに加速すべき事態になる。

 金融政策の効果が発揮されるには一定のタイムラグがある。その間に構造改革を進め、持続可能な経済体制を作る必要がある。

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