特集:2024年人事院勧告
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国家公務員の労働条件改定を国会と内閣に勧告する今年の人事院勧告では、昨年を上回る春闘の賃上げと初任給の引上げを反映し、約30年ぶりの大幅賃上げが勧告されました。重点が置かれた初任給は、月2~3万円程度、年収ベースで40万円前後上がります。背景には深刻な「公務員離れ」があります。
勧告のもう一つの目玉である10年ぶりの給与制度改革(「給与制度のアップデート」)でも、公務員志願者の急減と若手離職者の急増を何とか食い止めようとする問題意識が中心となっています。その中身は、労働組合の要求に沿うものもある一方、職場の競争主義を煽り、職場内の格差を拡大する政策も目立ちます。
総じて、大企業などとの人材獲得競争や一部のエリート層を向いた対策が先行し、地方勤務やノン・エリート層、現場を支える技術職・専門職などを中心に据えたとりくみになっていません。公務で働く魅力とは本来、「属性にかかわらず誰もが安心して働き続けられ、経験を積み、能力と専門性を高めて活かせる」「国民の一人ひとりに寄り添った公共サービスを提供する業務の社会的意義・やりがい」といったものであるはずで、そうした原点に立ち返る必要があります。
人事院勧告は、地方公務員や医療・福祉・教育職場など様々な公共セクターで働く900万人以上の労働条件に波及します。いま重視すべきなのは、分厚い中間層を再生させるためのボトムアップ型の労働条件改善です。
「2024年人事院勧告等の分析と批判」では、今年の人事院勧告・報告のポイントを現場の労働者の目線から紹介します。
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