本書(下巻)は,上巻で扱われなった21目の有翅昆虫類の胚発生について精述する。これにより,昆虫の全目の正常発生を網羅することになる。各章は,当該の分類群の発生について世界的に認められた業績を有する研究者によって執筆され,特にカマアシムシ目など,これまで発生学的知見が全くないか,きわめて乏しい昆虫類に関する胚発生の総説は世界にも類例がなく,本書の大きな特徴となっている。
もう一つの特徴は,全昆虫目の発生過程の精述に加えて,発生と系統との関係,すなわち比較発生学的観点からの解説が随所でなされていることである。これにより,各目の発生過程に認められる発生上の特徴に関する進化学的洞察が可能になる。
さらに,第3部1章では,各章で記載された発生上の特徴を再度取り上げ,目などの上位分類群の系統関係を総合的に論じるとともに,発生学の観点から昆虫の系統関係を提唱している。
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