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“赤毛”“銀毛”と呼ばれ恐れられた巨熊
熊撃ち名人と刺し違え、命を奪った手負い熊
アイヌ伝説の老猟師と心通わせた“金毛”
夜な夜な馬の亡き骸を喰いにくる大きな牡熊
熊ニモ負ケズ――戦前の日高山脈、人間と熊の果てなき死闘
河﨑秋子氏(直木賞受賞『ともぐい』著者)、推薦!
一瞬、体が硬直し、息が止まった。眼前わずか三十センチほどのところに、らんらんと光る目と開いた真っ赤な口、白い牙があった。ウオーッと一声吼えて、その牙が目に突き刺さるように迫り、なま温かい息が顔をなぜた。
(本文より)
戦前~戦後の北海道の奥地、羆の気配を身近に感じ暮らしていた人間と羆との死闘の物語。
父から狩猟の手ほどきを受けた今野少年と羆との対決、近所に住む兄弟・七郎と八郎が羆と繰り広げた修羅場、羆撃ち名人の命を奪った手負い熊の恐怖、アイヌ伝説の猟師・仙造と「金毛」という羆との交流。
長らく絶版になっていた、戦慄みなぎる名著の復刊。
解説/河﨑秋子(直木賞受賞『ともぐい』著者)
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