1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります
江戸時代、武士は家名と家紋で自らを表したが、家名の名乗りを許されない商人や職人は店の名称である屋号と店の紋章である暖簾で自らを表した。暖簾紋は商家の入口に下げられた暖簾に染め抜かれた紋章のことで、図柄も意味合いも家紋とほぼ同じであると言っていい。
広告宣伝手段のあまり多くない時代、屋号と暖簾紋は現在よりはるかに重要だった。転じて、暖簾という言葉は店主や店の信用を表すようにもなった。ドラマには「暖簾にかけて……」という台詞があるように暖簾は物理的な存在というより、その店が存在を知られ、信用されていること、さらに言えばその背景にある文化であり、ブランド力とも言えるだろう。
本書は「屋号」と「暖簾紋」の生まれた歴史的経緯にスポットをあて、それらができあがった背景や変化していった経緯を知ることで、創業者の想い、暖簾経営哲学、各企業がどのように時代に寄り添い生き抜いたかを調べたものである。
家紋に比べ暖簾紋を研究した書物は少なく、詳細を知るのは難しいのだが江戸後期から明治にかけて、各地で商家の案内本が作られていて、暖簾紋も多く掲出されている。それらから27,702点を採取し分類した。
それら企業情報は創業ストーリーになっており、興味深い歴史物語である。
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。