運命と自由
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著者の処女作『ヨーロッパの個人主義』の副題「人は自由という思想に耐えられるか」は著者のいわば根本テーマで、本巻の「あなたは自由か」で追究され、確かめられた。
本巻第一部『あなたは自由か』の冒頭に「自由は不自由の自覚にはじまる」と書かれている。これは本巻における運命の概念と同一である。つまり運命と自由は正反対の概念で、同時に論じることは不可能なはずだが、著者はこの矛盾を承知し、自己の論が破綻していることに気づいている。もし運命と自由を同時に追究すれば、自己破産し、ときに危険が身に及ぶ際どさがあることに気づいてもいる。けれども運命と自由はどうしても切り離せない。単なる省察ではなく行動を伴った自己認識に及ぶなら、体験外体験が予想され、際どさは先鋭化されるであろう。
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