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日本史において、装束はただ着飾るためのものではなく、衣服の材質、色、文様、また装身具の選択に至るまで、厳密な規定に基づいた「身分の標識」だった。本書では、そうした装束の規定や構造を豊富な図像資料とともに解説する。天皇や公家、武家の装束から法体装束に至るまで、日本文学の読解や美術作品の鑑賞をより深めるための装束の基磯知識を網羅する小百科。
【目次】
序章 装束の重要性
第一章 有識故実の歴史
一 有識故実とは何か
二 有識故実はいつどのように成立したのか
三 有識故実の展開と復興
第二章 束帯という装束
一 日本の装束の原点
二 束帯にはどのような区別があるのか
三 束帯の構成とは
第三章 束帯の装身具と武具
一 装身具・持ち物・履物
二 武具
第四章 多様な装束
一 公家装束──布袴・衣冠・直衣
二 公家装束──狩衣と水干
三 武家装束──直垂・大紋・素襖・肩衣
第五章 公家女子の装束
一 女房装束──重袿・裳・唐衣
二 その他の公家女子装束
第六章 法体装束
一 法体の身分
二 袈裟と念珠
三 法体装束──法服と鈍色
四 法体装束──裘代・付衣・衣袴・直綴
終章 装束と天皇制
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