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◆第四句集
雪降るや家ぬち深く火のにほひ
コロナ禍を体験し、多くの人を喪う経験をした今、
ことさら人生の深奥に潜む未知なるものを静かに見つめ、
俳句という詩に紡いでゆきたいと思う。
(著者)
◆自選十二句
犬筥のいつも横向き雛の段
秋口のすこし無口でゐたいとき
蝶去りてまた先程の続きかな
秋冷やひとは横顔より老いて
活け締めの魚のきゆと哭く暮の秋
昼顔に木漏日はいつも退屈
月涼し船漕ぐやうにチェロを弾き
起し絵の虫籠窓よりほの灯り
蓮の実の飛んでムンクの叫びかな
数へ唄稚児とうたへば雪が降る
海暮れて茅花流しの野が残る
侘助や男にはなき身八つ口
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