火のにほひ

火のにほひ

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出版社
ふらんす堂
著者名
□□規子
価格
3,080円(本体2,800円+税)
発行年月
2024年9月
判型
四六判
ISBN
9784781416830

◆第四句集



雪降るや家ぬち深く火のにほひ



コロナ禍を体験し、多くの人を喪う経験をした今、

ことさら人生の深奥に潜む未知なるものを静かに見つめ、

俳句という詩に紡いでゆきたいと思う。

(著者)



◆自選十二句

犬筥のいつも横向き雛の段

秋口のすこし無口でゐたいとき

蝶去りてまた先程の続きかな

秋冷やひとは横顔より老いて

活け締めの魚のきゆと哭く暮の秋

昼顔に木漏日はいつも退屈

月涼し船漕ぐやうにチェロを弾き

起し絵の虫籠窓よりほの灯り

蓮の実の飛んでムンクの叫びかな

数へ唄稚児とうたへば雪が降る

海暮れて茅花流しの野が残る

侘助や男にはなき身八つ口

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