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本書は,基本的なトピックの中からさらに取捨選択を行い,直観や動機付けを重視しつつ技術的細部を積み上げていく,理論のユーザーとしての視点に徹したコンパクトな教科書である.
読者がいくつかの結果や証明のアイデアを身につけ,自らの専門分野に応用できるよう,理論展開全体のストーリー構成がなされている.
第I部「形式論理」は証明論とモデル理論の初歩に相当し,命題論理や述語論理を扱う.
本書の特徴に,「論理体系のショウケース」として最初に等式論理を用いた点が挙げられる.
ここでの議論や証明の本質的な部分が,より複雑な命題論理,述語論理において用いられる.
第II部「計算可能性」の第8章までが再帰理論の入門に相当する.
帰納的関数とwhileプログラムを計算モデルとして計算可能性の理論を導入する.
最後に,数学基礎論の全分野と結びつく重要な結果であるGodelの不完全性定理の簡単なバリエーションの証明の概略を与える.
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