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中国のことばを通じて仏教を受容し、漢訳によって徐々に仏教を体得していく過程のなかで、真にわが国のことばで仏菩薩の功徳や祖師高僧の行跡を讃える仏教讃歌を生み出したのは画期的であった。深い仏教教義や熱い信仰心をわが声で語り歌ったとき、はじめて仏教は貴賎道俗を超えて平等無差別の歌声となって日本人の心にしみ透っていった。内面の声はさらに昂揚し、親鸞の三帖和讃の思想と文学の融合合一した魂の世界へと燃焼する。教理のなかに文学の心を読みとり、文学のなかに仏の教えを聴きとり、著者は和讃のリズムに誘いける。
第一章 和讃の形成と展開
一 仏教歌謡と和讃
一仏教歌謡(仏教歌謡の定義 仏教歌謡の分類 讃嘆以前 讃嘆 漢讃 教化 訓伽陀 講式 表白文・願文・諷誦文・祭文)/二和讃(和讃の定義 和讃の展開)
二 和讃の受容と変貌
一和讃の展開―受容と変貌/二受容の諸相/三「行基菩薩和讃」の受容/四「天台大師和讃」の受容
三 和讃の形相
一和讃の形成/二和讃の本質―「阿弥陀の和讃」に見える/三混交と融合―呪詞性/四中世の和讃
四 顕密復興のうたごえ
一和讃の中世的展開/二中世における高僧讃/三「過海大師和讃」/四「大唐三蔵和讃」/五釈尊讃歌のひびき
五 芸能としての和讃
一法会の芸能性/二芸能における和讃の摂取/三和讃の諸相
第二章 親鸞における詩の創造
一 浄土讃歌のこころ
二 『三帖和讃』の成立と法文歌
一仏は常にいませども/二『三帖和讃』と法文歌/三和讃史における『三帖和讃』の位置
三 「浄土和讃」の文学性
一「浄土和讃」巻頭巻尾の文/二いわゆる巻頭和讃の解釈について/三「観経意」の構成/四むすびにかえて
四 『三帖和讃』をめぐる課題
第三章 『梁塵秘抄』と仏教歌謡
一 「南天竺の鉄塔」讃歌―密教のうたごえ
一「南天竺の鉄塔」/二「法界宮殿」
二 崑崙山の歌謡―西域憧憬
一仏説における「崑崙山」/二「崑崙山の麓には」/三中国神話に見る崑崙山/四西域の歌謡
あとがき
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