フランスと日本は,計り知れないほど難解な財政的緊張や社会経済的課題──たとえば,高齢化,経済危機,治療と予防のバランス,感染症対策,監視社会,新たなリスクの浮上など──に連動して,医療制度が大きく変わろうとしている。COVID-19は前例のない感染症であるが,それによって生じた健康危機は,もともと存在していたこれらの課題を悪化させ,国家レベルでも世界レベルでも,包括的な視点で健康に関する問題を捉え検討する必要を私たちに突き付けている。
この健康危機の全容を把握するため,それによって影響を受けたと考えられる幅広いテーマに関し,多様な分野と大学から研究者を結集し研究チームが編成され,大学コンソーシアムともいうべき共同研究体制をつくり2年以上にわたり,定期的な意見交換,さらに2022年9月にパリ第2パンテオン=アサス大学およびリヨン第3大学,同年12月に慶應義塾大学,2023年6月に東北大学において,シンポジウムが開催された。これらの研究成果をまとめ,上梓する。
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