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なぜ「数字は正しい」のか。なぜ数字になると信頼するのだろう。
数値にした瞬間に一人歩きするものは世に多い。GNP、PISA、放射線量。どうして星や分子や細胞の研究で成功した数値化という方法が、社会の事象をあつかうにも妥当と認められるようになったのか。ギリスピーとクーンに学んだ科学史家が、19-20世紀イギリスの保険数理士、フランスの技術官僚、アメリカ陸軍技術団の史実に即して徹底追求。ひるがえって自然科学にとっての数値化の意味を照射する。
ローカルノレッジ(局所的な知識)を越える卓抜な技術としての標準化・定量化。専門家の裁量に不信の目が向けられるとき。エキスパート・ジャッジメントか客観性か。
科学者共同体と社会の鮮やかな政治的・文化的構図を描き、1997年4S(国際科学技術社会論学会)Fleck賞受賞。「日本語版への序」には、東日本大震災とフクシマの原子力発電所事故から2年後の日本の読者にあてたメッセージをふくむ。科学技術社会論をリードする訳者が明快な解題を付す。
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