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強大で安定した体制だと誰もが思っていたソ連が突然ガタガタになり、あっという間に消えてしまった。ソ連崩壊とは一体何だったのだろうか?
その鍵はブレジネフ期にあった。何も起こらなかったと言われたこの時代が、着々と崩壊を準備していたのだ。しかも内側から。
真実-虚偽、本音-建前、抑圧-抵抗という従来の図式では、ソ連を生きるということは説明できない。若者は西側のロックに夢中になり、それを共産主義の言葉で説明する。党はジャズをブルジョア文化と決めつけたかと思うと、抑圧された者の芸術だとする。
党も人びとも、ソ連というシステムを再生産し、それによってシステムの中身が脆弱化していった。ソ連が永遠に続くと思いながら、崩壊を自然に受け止めるという、ソ連の人びとに共通した感覚は、ソ連システム自体が生み出したものだといえる。
はじめてソ連社会を内側から照らし出した書物として、本書は英語圏とロシアで大きな反響を得た。ソ連を知る必読書。
――間違いなく後期ソ連に関する最高傑作だ。歴史研究であるばかりか、本物の文学作品を読むような満足も味わえる。
スラヴォイ・ジジェク
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