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中国の文豪、魯迅は仙台医学専門学校で医学を学ぶために一九〇四(明治三四)年に来仙し、解剖学を担当していた藤野厳九郎教授から、その授業ノートに懇切丁寧な添削を受けた。この勉学は一年七ヶ月に及んだが、一九〇六(明治三六)年三月、魯迅は志を医学から文学に変更し、東京に次弟の周作人らと居を定め、職業作家・翻訳者としての道を歩み出す。本年は、そうした魯迅が仙台を訪ねてちょうど一二〇年目、また藤野が生まれて一五〇年目に当たる。
一二〇年前の魯迅と藤野厳九郎との仙台医専での出会い、その後の藤野による魯迅の医学筆記ノートへの添削指導、この出会いと指導を回顧した魯迅の作品『藤野先生』は、近代以降の日本と中国との民間交流を進めようとする場合、あるいは留学生への教育を考える場合、誰もが立ち返るべき模範例である。
魯迅(周樹人)が医学の道を志し、仙台医学専門学校に在籍したのは今から一二〇年前の一年七ケ月にすぎない。この期間に魯迅は医学から文学の道を志し、仙台を離れることになった。本書では、魯迅の仙台における学生生活、交友関係そして藤野先生との出会いなどが詳しく紹介され、魯迅と藤野厳九郎の人物像が明らかにされている。本書が今後、魯迅研究の学術的資料となるばかりでなく、日本と中国の民間交流や留学生教育の指針として役立つことを期待する。
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