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既に290号を超える長い歴史の「RM LIBRARY」から、過去の傑作巻を2~3冊分まとめて復刻する「RM Re-Library(アールエム リ・ライブラリー)」。シリーズ29巻目は、RMライブラリー第42巻「熊延(ゆうえん)鉄道」と第57巻「山鹿(やまが)温泉鉄道」(共に田尻弘行 著)を復刻いたします。
熊延鉄道は、国鉄豊肥本線の春竹(後の南熊本)から砥用まで28㎞余りを結んでいた非電化私鉄で、当初の名称は御船鉄道といい1915年に最初の区間が開業、1932年に全線開業となりました(もっとも、社名に示されるような宮崎県延岡市への延伸には遠かった)。戦後、バスとの競合に敗れる形で鉄道としては1964年に廃止となり、以後は社名を熊本バスと変えて現在に至っています。
山鹿温泉鉄道は、国鉄鹿児島本線植木から山鹿まで20㎞余りを結んでいたこちらも非電化私鉄で、当初の名称は鹿本鉄道といい1917年に最初の区間が開業、1923年に全線開業となりました。もともと輸送規模が小さかったところに、1957年の水害で国鉄との連絡が途絶え、残りの区間で一時運行再開するも1960年に全線運行休止、1965年に廃止。バス改造の珍車が短期間活躍したことで有名になったこともありました。会社としての清算も完全に終わり現在は消滅しています。
同じ熊本にあって似た成り立ち・沿革を持つ2つのローカル私鉄。地元熊本出身の著者によって、貴重な資料が収集された、それぞれ集大成となる一冊が合本化されました。遠隔地にあって比較的廃止時期が早く、ファンによって残された記録は比較的少ないので、まさに決定版と言えるでしょう。
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