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「教える」ことを問い直す―学習者の興味・関心を引き出す授業へ―
教育とは本来、「教え」「育てる」ことのはずです。しかし,教師が一方的に知識を「教え込む」ことを目指すなら、本来楽しいはずの「学び」が学習者にとって「苦行」となり、そのときは暗記したとしても記憶はすぐに薄れてしまいます。これでは「育てる」教育になりません。
学習者を「育てる」ためには、学習者が深く考え主体的に問題解決に取り組む力をつけることが必要です。しかも、GIGAスクール構想が進み、学習者はICTを駆使して容易に新しい知識や多くの情報にアクセスすることが可能になってきています。そうした学習環境の中では、従来の、教師が前に立って知識を教え込む教師主体の授業は十分とは言えないでしょう。暗記中心の授業から抜け出し、「学習者主体」の授業、つまり、学習者が教師に教えられた知識を鵜呑みにして暗記することに満足せず、自分の頭で考えて一歩踏み出し、自分なりの「何か」をみつけられるようなクリエイティブな授業、をめざそうとする教師の意識におけるパラダイム・シフトが必要なのではないでしょうか。
ある小学校一年生の担任の先生は理科がご専門なのですが、教室から出て校庭で観察させていたときに児童がチョウチョをみつけました。「先生、チョウチョって英語でなんて言うの?」と聞かれ、「butterflyだよ。」というと、また児童が「じゃあ、トンボは?」というので、「dragonflyよ。」「それじゃあ、ハエは英語でなんていうと思う?flyなの」と答えました。すると児童が、「あ、みんなフライがつく。フライって羽根に関係あるのかな」と言ったそうです。小学校1年生でも子どもの「気づき」を促すこんな素敵な授業の一コマが見られるのです。
今月の特集では、このように学習者の興味・感心を引き出し、学習者が自らその学びに向かい、学んだ知識を関連づけ、深めていくことが喜びとなるような授業について、小学校から大学まで、それぞれの立場から探り、「教える」ということについて見直します。
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