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〈月〉と〈深海〉を繋ぐ謎の存在とは?
アボリジナルの伝説に登場する破滅をもたらす「虹蛇」
地質学と生物学の境界線を曖昧にする存在を巡り、
新たなる物語の幕が上がる!
「私が伝えた物語は、ほかに類を見ない有機ケイ素の生命体、
異常事態が起きた月面探査、大規模な地殻変動から成り、
にわかには信じがたいかもしれないが、
この小説は数多くの事実に基づいて構築されている──」
―ジェームズ・ロリンズ
歴史的事実から―噴煙の下で起こった別の物語
我々はすぐに熱くなる惑星に暮らしている。「地質学的な火薬庫」とも言うべき地球は、その歴史を通じて幾度となくこの星の生命の存続を脅かしてきた。二億五千万年以上前、地球の歴史上で最大規模とされるペルム紀末の絶滅が起こり、陸上生物の七十パーセント、海洋生物の九十パーセントが滅んだ。この大量死は「大絶滅」とも呼ばれる。大規模な火山噴火で放出されたガスに覆われ、地表の気温は現在の平均より十八度も高くなった。海は酸性となり、サンゴや海洋生物の殻は溶けた。地球上の各地で、陸でも海でも、生物が死んでいった。七万四千年前、インドネシアのトバ山が大噴火し、人類は約一万人から三万人の間という数まで追いやられ、危うくこの星から消滅するところだった。世界を滅亡させかねなかった火山噴火はそれ以降も七十回近く発生していて、その最後に当たるのが一八一五年のインドネシアのタンボラ山の噴火だ。インドネシアだけで十万人が亡くなったほか、噴煙や火山灰が地球を取り巻いて場所によっては気温が二十度も下がったため、世界各地で百万人を超える犠牲者が出た。この噴火によって発生したのが有名な「夏のない年」だ。けれども、その噴煙の下には別の物語が埋もれていた。その話はすぐに熱くなるこの惑星の地質学的な不安定性に関係している──そしてこの世界における我々の居場所について自分たちが知るすべてを覆しかねない、今もそこに向かって歩みつつある未来にも関係している。
本書を読んでいけば、これまで我々から隠されていた真実が見えてくるだろう。
今、それが明らかになる。
〈あらすじ〉
インドネシア各地で地震と火山の噴火が相次ぐなか、グレイたちは地質学的な災厄の鍵を握るスタンフォード・ラッフルズの「秘録」を探し求める。だが、自然界の力を軍事転用しようと目論む中国軍も、その秘録を追っていた。インドネシアのジャカルタに、タイタンプロジェクトの拠点の施設に、そしてトンガ海溝の深海に、中国軍の脅威が忍び寄る。一八一五年のタンボラ山の噴火の時、ラッフルズは何を見たのか? 何を知ったのか? アボリジナルの伝説の「虹蛇」は実在するのか? 自然の猛威を前にして、グレイたちは決断を迫られる。世界を救うためには中国軍と手を組まなければならない。だが、誰が信用できるのか? その間も世界に残された時間は少なくなり、愛する人たちの命が脅かされる。
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