21世紀の現在でも、特に理工系の学生にとって物理学実験は依然として欠かせない科目である。本格的な器具や装置を用いた「実験」を体験することによって、物理現象の真理やその知識体系の有用性と信頼性を、単なる知識を超えて身体的に修得することが可能となる。一方で、物理学実験の体験は、既に解明された現象の確認に留まることなく、自然への好奇心を刺激し新たな探究への冒険心をかき立てるものであり続ける必要がある。そのためには、時代の変化に応じた実験内容の見直しに加えて、最新の測定機器への対応も必要もある。
本書の第2版新訂の刊行から12年余りが経過した。この間、授業現場では測定器具の更新や実施方法の変更が徐々に進められていたが、2020年以降のコロナ禍により、実験授業にも大きな変更が加えられた。そこで今回、執筆陣を大幅に入れ替え、第3版として新たに編纂を行うこととなった。初版以降の特徴を受け継ぎつつ、より読みやすくなるように以下のような変更を施した。
(1) 一部の基礎的な実験課題を基礎事項に移し、全ての実験課題が1回(2コマ)の授業で実施できるように再編。
(2) 最新の装置と実験内容に対応させ、図と記述を一新。
(3) 各実験課題の構成を「実験の概要」「基礎知識」「実験の原理」「実験方法」「データ解析」「発展課題」「補足説明」に統一。
(4) 各実験課題の「基礎知識」を簡略化して読みやすくし、詳細は「補足説明」として最後部に整理。
(5) 数値計算に用いるプログラミング言語をPythonに変更。
本書第3版の編集にあたっては、すべての項目にわたって新しく書き直し、記述内容の見直しを行った。
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