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保育士として子どもを見守るまなざしと、置き去りにされるロボのかなしみ
「ケア」の本質を見つめる348首
川野里子、山崎聡子、藪内亮輔 三氏の栞付き
谷川がうたう子供たちの生は、素の命の写し絵であり、本当は私たちが心になお抱えている命の裸形だ。
──川野里子
自分の内面をそっくり他人に明け渡してしまったような歌いぶりに、
そこはかとない不安と目眩がするような幸福感を同時に覚えた。──山崎聡子
そうか、ほどかれることは、うしない、忘れ、消えゆくことは、とてつもなく美しい、世界からの恩寵なのだ。──藪内亮輔
【歌集より】
もういちどふれてください改札をわたる私をひきとめる声
目のあった人に尽くしてしまうから後ろから起動「おもてなしロボ」
冷凍庫をゆりかごにして受精卵は同僚が辞める日を待っている
手のなき子が心に幹をえがきつつ大きな栗の木の下で踊る
ほのひかるデジタル時計0になりわたしのことをわすれてくれた
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