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天涯花を髪に刺してつゆつゆとあるけば 誰もいない夜は
いくつもの恨みを通り過ぎて真夜中の画布になって湾を目の中へ踊らせている
(「祝福」)
「黒曜石のような高安海翔の詩。ついさっき、火山から飛び出て急速に冷え、地上にごろごろと落下したのち、誰の手によってか、ここにかき集められた。静謐な諧調。破れの予兆を孕む対称性。まだどこにも友達がいない」(小池昌代)。きりつめられた詩語が夜を纏い、私の不在に私があらわれる。無数の喪失を悼む32篇。装画=當麻卓也、装幀=戸塚泰雄
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