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命などどこにでもある
舌にのせれば
叫ぶたびに砕けて増える
死の唇が粉を吹く
その混じり気が好きだった
もうキスはいらない
言い残したことは〓がれて浮き上がり
人肌の水面に散る
後を追う沈み込む寸前の指に
渦がそれを巻き付ける
骨まで届く指輪のサイズはだれも知らない
(「氷? imitation」)
あびてあびて、から、ぎざぎざ、まで、あっぷあっぷ、から、駄駄まで、にぎわしくも透明なシニフィアンが詰まっている。指先がダンスする相手としての、触れそうで触れない、官能という名のシニフィアンが。〈間〉をそのようなものとして捉え、表現したところに、彼女の、紛れもない詩人としての存在証明がある。――野村喜和夫
『あびてあびて』(日本詩人クラブ新人賞)から『駄駄』まで、詩人の達成を全篇収録。男と女。永遠のぎざぎざを攪拌させ、逆流させ、生み落とされる、痛苦とエロスの果実。
解説=佐々木洋一 瀬崎祐 相沢正一郎 大家正志 富永正志
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