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なかに潜んでいるもの
それは猫だね
猫はひとりで生きられない
きみにかかえられて息をする
猫の毛のなかにはきみの毛が生えている
猫はだれかにささえられて
怠惰の海を泳いでいる
ぼくが持っていてあげようか
おもそうな
きみがかかえているものを
(「それは猫だね」)
ぼくの最初の頃の歌の現場は小さな六畳一間だった。夜が深まるにつれてぼくの歌は夜の街へと広がっていった。金井雄二さんの詩もそのようにしてある日ぼくのところにやって来た。いつのまにかぼくは金井さんの詩の読者になっていて、金井さんの詩を書く鉛筆の音がすぐそばに聞こえるようになった。それは金井さんの生活の音だった。金井さんは詩を書くことをごまかさない人だから、ぼくはこれからも金井さんの詩の読者であり続ける。――友部正人
小さな自分を見つめて、たったひとつの小さな言葉が生まれる。新しい〈ぼく〉と出会うために。いまを生きる抒情詩を模索してきた、確かな道のりを一望する。
解説=清水昶 井川博年 矢野静明 草野信子 岩木誠一郎
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