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「常に余の側にいて支えてくれ」──十四代将軍・家茂の命は、まさに耳を疑うものだった。桜田門外にて“盟友”であった大老・井伊直弼を救えず、厳しい沙汰が下ると覚悟していた御広敷役の阿部修理之亮は、あろうことか御側御用取次の大役も兼任することになったのである。
思いがけない出世を遂げた修理之亮であったが、時は幕末の混乱期。異人への斬り付けや焼き討ちが江戸各所で起こり、攘夷と騒ぐ連中の抑え込みに奮闘する中、公武合一を合言葉に、帝の妹御・和宮を将軍家へ降嫁させる話が持ち上がる。そして、家茂の信頼を得る修理之亮は、和宮の下向に際し、護衛役を任されることになるのだが……。
日に日に失墜してゆく徳川家を守ろうと、一人の直参旗本が命を賭して剣を振るう!
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