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沖縄文学に関する論考を発表続けている著者の最新刊。ワシントン大学や沖縄県立芸術大学、俳句協会での講演などの講演録と論考を集めたもの。その内容は大城立裕、船越義彰、又吉栄喜、宮古文学史、下鴨哲朗、壕の記憶、守礼の光などに関する論考と沖縄の風景描写、海と文学、比嘉美智子、沖縄の歳時記、沖縄文学の歳時記、歌劇とさまざまな沖縄文学に関する論考集。
本書「あとがき」より
あとがき
講演というほどではないにしても、そのようなものをしたという記憶はあまりないのだが、実はそうでもなかった。他は知らず、私にしては、意外とやっていたのである。それもこれも、ここに納めた数編の談叢の掲載誌を見つけたことによる。
三十数年も教壇にたっておれば、その数は、少なすぎるかもしれないが、私にとっては驚きであった。それで、思い返して見ることにしたのだが、国内だけでなく、国外にまで足をのばしていたのである。
そのようなことができたのは、いうまでもなく、沖縄の文学が、多くの人々の関心を引くようになったことによる。
沖縄の文学が注目されてから久しいし、注目されるだけの作品が、輩出していることも確かである。そして、そのような作品を論じる研究者の活動も活発になってきていて、目をみはらせるものがある。
すぐれた論考が生まれてくるなかで、ここに拾い出して来た談叢類は、同じ作品を取り上げ、別の視点で読みなおしてみた、といったようなもので、変わりばえしないものである。それをあえてまとめたのは、忘れてしまっていたことを思い出させてくれたといったことによる。
論叢編の初出誌は次の通りである。
「普天間よ」私感 『大城立裕追悼論集 沖縄を求めて・沖縄を生きる』インパクト出版会 二〇二二年五月一〇日。
船越義彰「謝名原の乱」『琉球アジア文化論集』第九号 二〇二三年三月。
「闘牛小説」を読む 『又吉栄喜の文学世界』コールサック社 二〇二四年四月二三日。
譜久村雅捷『阿母島』を読む 『琉球アジア文化論集』第七号 二〇二一年三月。
チビチリガマからの出発―下嶋哲朗の仕事 『越境広場』十二号 二〇二三年八月一〇日。
壕をめぐる記憶『うらそえ文芸』第五号 二〇〇〇年四月。
広報誌の時代 『守礼の光』解説不二出版 二〇一二年一〇月三一日。
談叢編の出処は、それぞれの話の終わりにメモしておいた通りである。
論叢編は、あれこれ、脈略もなく並べてあるが、それは注文に応じたといったことによるだけではなかった。
これまでは、あれこれ出来た。しかし、事態は大きく変わって来たといっていい。なんでもなかったことが、困難になってきたのである。本書は、そのことを示す、記念になるものである。
二〇二四年 仲程昌徳
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