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わたしは生きて死ぬことを
日々カウントしている。
コロナ禍の瀬戸内海・百島。
愛豚と向き合った333日の記録。
写真+図解100点超
青臭い理想の先に待ち構えていた不条理。
「……ラップ! ラップください!」
見境なく叫んだ。そして手渡された梱包用のラップを何層にも重ねて炭酸ガスが漏れないよう塞いでいく。穴の奥に見えるモモは少し落ち着いていて、再度こちらへ向かってくる気配はない。穴を塞ぎ終え、もう一度モモの真横に移動して反応を見る。モモは自分の身体のふらつきが気に入らなさそうに、後ろ側の単管パイプにお尻をもたせかけていた。朦朧としながら大きな鼻で繰り返す深呼吸には、しゃっくりが混ざってきている。そして、立つ気力が失せたとばかりに腰を落とし、手足を伸ばしてうつ伏せになった。ぐったりと眠そうに脱力している。そのまま、しゃっくりを数分繰り返すと、徐々に呼吸が小さくなっていった。(「Ⅲ 自家用屠殺」より)
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