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◆百首シリーズに若山牧水が登場!――自然に漂う未来の人
白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ
(『海の声』)
愛誦歌のアンケートがあると、つねにトップの地位を占める有名歌である。「白鳥」は〓だろうか、スワンだろうか。一羽なのか、数羽なのか。空を飛んでいるのか、海に浮かんでいるのか。青海原をイメージしたらいいのか、海岸近くを思い描いたらいいのか。すべては読者の想像にまかされているのが魅力である。二句と四句で切れる五七調のゆったりした調べがその魅力を支える。ポイントは結句の「染まずただよふ」。周りのどんな色にも染まらず自らを貫く純粋さ。この結句まで読めば、第二句の「哀しからずや」が感傷などでないことは明らかだ。
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