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1929年に発生した世界恐慌は、安定しつつあった世界経済を奈落の底へ落とした。恐慌に対応するため各国が実施したのが「ブロック経済」であった。一体「ブロック経済」にはどのような効果があったのか、どのような結果をもたらしたのか。第二次世界大戦へつながる「ブロック経済」の実態を明らかにする。
本書は、まず「ブロック経済」の大きな理由となった世界恐慌の背景をみるために、国際金本位制に支えられた19世紀の自由主義的な世界経済が、第一次世界大戦を経てどのように変容し、大戦後はどのように再建が試みられたのかを解説する。そして、世界恐慌の要因、世界へと波及した過程を詳細に論じる。
その結果として現れた「ブロック経済」については、スターリング・ブロックや金ブロックなど、各「ブロック」がどのように形成され、展開したのか、その実態を丁寧に紹介する。ドイツや日本の「ブロック化」の動きについても取り上げ、「ブロック化」が戦争の原因だといえるのかについても検討する。
対立と分断が深まる今日の国際情勢を前に、改めて世界恐慌と「ブロック経済」を検証する。
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〈目次〉
はしがき
第1章 第一次世界大戦を通じた変化
1 「自己調整的市場」の後退
2 中心国の移行
3 戦債・賠償問題
第2章 「正常化」と「相対的安定」
1 戦後インフレの終息
2 金本位制の再建
3 世界経済の「相対的安定」
第3章 恐慌の世界的波及
1 アメリカの大恐慌
2 ヨーロッパの銀行・通貨危機
3 多角的資金循環の瓦解
4 世界恐慌はなぜ起こったのか
第4章 「ブロック経済」
1 スターリング・ブロック
2 金ブロック
3 ナチスの広域経済圏
補論1 イタリア
補論2 ソ連
4 アメリカの通商政策
5 円ブロックと大東亜共栄圏
6 「三国通貨協定」から戦後構想へ
結語 経済の「ブロック化」から何を読み取るか
参考文献
あとがき
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